往生は投げた

 こうも聞こえにゃ 聞かぬがましよ
 聞かにゃおちるし 聞きゃ苦労
 今の苦労は 先での楽と
 気やすめいえど 気はすまぬ
 すまぬこゝろを すましにかゝりや
 雑修自力とすてられゝ
 すてゝ出かくりゃ なほ気がすまぬ
 思えば有念 思わにゃ無念
 どこにお慈悲があるのやら
 どうで他力になれぬ身は
 自力さらばとひまをやり
 わたしが胸とは手たたきで
 たった一声聞いてみりゃ
 この一声が千人力
 四の五の云うたは昔のことよ
 ぢゃとて地獄は恐ろしや
 なんにも云わぬが こっちのねうち
 そのまま来いのお勅命
 いかなるおかるも 頭がさがる
 連れて行かうぞ 連れられましょぞと
 往生は投げた投げた  (お軽同行)               
 阿弥陀さまの、そのまま来いの勅命におまかせするばかりです。(kosizu)